今回はマニプール北東部にあるウクルルという街にバイクで行ってきた話
インパールから遠く離れた山の頂上に栄える大きな街はまさに北東インドの秘境の街。
魅力たっぷりのウクルルに行ってきた。
ただウクルルまでのツーリングは過酷。個人的にはミャンマーとの国境の街モレーに行った時と同じくらい消耗した。
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インドとミャンマーの国境の街モレー(Moreh)へバイクで向かう旅
北東インドマニプールをバイクで旅するシリーズ。今回はマニプール南東部にあるモレーという街に行って来た。この町は非常に有名で、陸路でミャンマーに行くことができる国境の街。
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でも筆者が一番記事で紹介したかった街。
距離的にも体力的にも日帰りはおすすめしない。ウクルルまでのツーリングは上級者向け。
マニプールに旅行できた方であればインパールからバスに乗って行くのがおすすめ。
もしくはインパールからドライバー兼ガイドを雇うこともできる。
ウクルル(Ukhrul)地区とは
ウクルル地区はマニプール北東部、山の上にある街。
特徴は、、、
- インパールから約5時間
- 標高が高い街(約1860m)
- ウクルル地方にしか生息しないシルイ・リリーが見られる
- 年に1度シルイリリーフェスティバルが開催される
- 住んでいる人のほとんどがタンクール族
- マニプリ語よりもタンクール語と英語が使える
- 移動手段がオートリクシャの代わりにスズキのアルト
彼らタンクール民族はナガランドとのつながりが強い。
タンクール民族はもともと狩猟民族で、その一部は”首狩族”として知られていた。
人の首を狩って初めて一人前の男と見られていた。
今はその伝統は無くなった(らしい)のでご安心を、、、
今回はそんなタンクール民族の街ウクルルに行ってきた。
インパール出発
今回は初めての1泊2日のバイク旅になるので装備が多い。
特にウクルルはインパールとの標高差が1000m近くあるので厚手の服だけでなく小さな毛布も持っていくことに。
小さな安宿だと毛布が準備されていないことも多ので。
早朝インパールが通勤ラッシュで渋滞してしまう前に出発。
途中までのルートはラムレイビレッジにいく時と同じ。
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タンクール族の秘境の村ラムレイ(Ramrei)を訪れる
今回はマニプール州北東部のラムレイという村に行ってきた。タンクール民族の住むのどかな村。インパールの喧騒を出て、静かな場所で綺麗な空気の中一休みできるローカルの人たちに人気のピクニックスポット。道中の景色も美しく、筆者お気に入りの場所。
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トイーマハデヴ(Thoyee mahadev)のバザールで休憩
202号インパール・ウクルル線をまずはひた走る。
ラムレイビレッジに向かう道を通り過ぎて次の村ヤインガンポッピ(Yaingangpokpi)を超えると、舗装されている道と工事中の道がまだらになっている。
途中が工事中なので大きいトラックや重機にも出くわす。
トイーマハデヴのバザールではタンクール族のアンティたちが近くで採れた野菜や魚を売っている、水も買える。
見晴らしのいい山の高台になっていて、インパールの盆地を一望することができる。
バイクを降りて少し休憩。
ここから先はいよいよ工事中の道。こんな道↓
写真の粉塵はこちらを追い越して走り去った車の残したもの。
バイクは粉塵との戦いになるのでレインコートを着て走る。
インドの田舎をツーリングする時にはレインコートは必須。
粉塵から自分を守ることができるし、急な雨にもすぐに対応できる。
リタン・ビレッジ(Litan Village)を通過
粉塵の道をしばらく走り続けると次の集落リタンビレッジについた。
タンクール族の村で小さなバザールとバイク屋さんが道沿いに少しあるくらい。
村には川が流れていて村の人たちの生活に欠かせないものになっている。
フィンチコーナー(Finch Corner)で分岐点を通過
どれくらい走ったか忘れるくらい走ったところで大きな標識のある分岐点、フィンチコーナーが出てきた。
写真の標識はタンクール族伝統の装具をモチーフにしている。
リタンビレッジからフィンチコーナーまでが一番過酷な道だった。
ただひたすら大小さまざまな石が転がる道を下ったり登ったりを繰り返し、山を何個も超えてゆく。
少しでも急ブレーキ、急ハンドルをするとあっという間に転倒してしまうような道。
しかも片側はガードレールなしの谷底。インドの土はやわらかいのでこういう場所の路肩は本当に危ない。
4輪の自動車はどんどんスピードを出して追い越してゆく。
ゆっくり走るトラックの後ろについてしまえば、大量の粉塵が巻き上げられて昼間なのに前が完全に見えなくなる。
フルフェイスの下にマスクをしていても間に合わない。
トラックは追い越すか、自分が休憩して先に行かせるかしたほうがいいかも。
体力と集中力と握力の80%以上をここまでの道のりで消耗してしまった。
この分岐点には小さな売店と喫茶店がありチャイなどを飲んで休憩できる。
ここからしばらくは下り道、ほとんどが舗装された道。とはいえ道の所々に大きな穴が空いているので要注意。
レインコートもまだ着たままの方がいい。
モバケイヴ(Mova Cave)に寄り道
202号を走っていると谷をこえて再び上り坂になるあたりで小さな看板が右手に出てくる↓
粉塵対策としてスマホもジップロックの中に入れた状態で撮影したので、少し写真がぼやけている。
ウクルルに行く途中の観光スポット、モバケイヴという大きな洞窟がある。
看板の道に入った途端に道にじゃり道になる。
しかも上り坂なのでバイクはかなり苦戦した。
特に洞窟の駐車場手前はじゃり道かつ急な下り道になっており、ブレーキがかからず滑りながら下ってしまう。
それでも洞窟とその周りの景色は本当に綺麗。
鳥の鳴き声や風が木々を揺らす音が聞こえてくる。
駐車場に着くと、傾斜の急な降りる道が左手にある。そこから洞窟に繋がっている。
川のそばに空いた大きな穴。こんな森の奥深くに静かに口を開けて佇んでいた。
中に入ると天井は高く7〜8m ある。よく耳を澄ますとたくさんのコウモリの羽音がする。
そのまま奥に進むと、小さな光が見えてきた。
洞窟の向こうに続いている穴だった。通ってみると川の方に出てきた。
他には誰もいない空間に美しい川のせせらぎしか聴こえない。
人口の多いインドでは日本とは違い、大抵人がいない場所は逆に不安や危険を感じる。
でもここはたった一人でも本当に落ち着く場所だった。
駐車場に戻った後に洞窟のある山の突き出た岩の先にも登ってみた。
足元が悪くなかなか危険。
さっき見ていた川が小さく見える。綺麗な景色と空気を満喫しながら持ってきたお昼ご飯を食べた。大満足。
ついにウクルル(Ukhrul)に到着
モバケイヴから戻って再び202号の道に出る。
さらにワインディングロードを登り続けてようやくウクルルの街が見えてきた。民家も少しづつ出てくる。
遠くから見ると、山の山頂を覆うように街が広がっているのがよく見える。
久しぶりにペトロールポンプが出てきた。ウクルル地区には給油できるポイントがおそらくここしかないので忘れずに給油。
かなり疲れた、、、、でも洞窟からウクルルまでの道中の景色は本当に綺麗だった。
どんどん標高が高くなり気温も下がってくる。振り返るとここまで超えてきた山々が連なって遠くに見えている。
白い大きなゲートを通過してようやくウクルル到着!
ウクルルのメインストリート↓
とりあえず早めに宿をとって少し休憩。
ちなみに今回の宿はこんなとこ↓
素泊まり1泊500ルピー(約900円)。
キティちゃんは今やウクルルにだっていてくれる。
こんなインドの辺境で日本の製品(じゃないだろうけど)を目にすると少しホッとする。
部屋はシンプル。無駄なものがなくて逆に衛生的かも。
宿を管理してくれているアンティが日本人だとわかって優しく色々気遣ってくれた。
ちなみにこちらが夜のウクルル。
スマホで撮ったのであまり綺麗に撮れていないけど、実際に見るともっと綺麗。
ウクルルの筆者お気に入りのカフェはこちらの記事に↓
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その後街を歩いて明日くらいにウクルル地方でしか見られないシルイ・リリーというランの生息域に行ってみようと計画していた。
、、、、が、、Googleマップを見ていると、山の頂上に池がある変わった場所を見つけた、しかもシルイ・リリーの生息地域に!
Googleマップの写真を見るととっても綺麗な場所らしい、日没に間に合うようにこれから向かってみることにした!
ウクルルを通過してパンレイレイク(Phangrei Lake)へ
少し戻ってウクルルの市街地を出る、そして再び202号を走る。
今度はここまで登ってきた山の裏側を走る、この道を北上してずっと行くと隣の州のナガランドにまで続いている。
片側1車線の道路を走り続ける。
急なワインディングが続いたり、凸凹があったり、砂利が落ちたりしていて思うように走れない。
左は谷底、もちろんガードレールは無し。
カーブミラーもないので見通しの悪いカーブではクラクションを鳴らす、昔の日本みたい。
四苦八苦しながらもなんとか目的の場所パンレイレイクの麓に着いた。
麓にぽつんと立っているお店で入場料を払う。1人10ルピー。
ここからは徒歩で山頂を目指す。
やわらかい土の山をただひたすら登る、傾斜がきつくて息が上がる。
ここまできたら引き返せないと腹を括って頑張った結果、なんとか日没に間に合った。。。。
音が全く無い本当の静寂。こんな静かな場所はインドに来て初めてだった。
静かにゆっくり夕日が沈んでゆく。日没の反対側、遥か遠くに見える山々はミャンマーとの国境。
ここに辿り着くまでの運転時間はだいたい8時間。成り行きで来てみたけど本当にいい場所に辿り着いた。
ちなみにこのパンレイ・レイクの麓にあるのがレストラン&ホームステイの”Gracias”。
バイク旅 ~ウクルル(Ukhrul)編 ~ まとめ
今回はマニプール州ウクルル地区までのバイク旅+αを記事にした。
マニプールにはまだまだ知られていない美しい場所がたくさんある。
特にウクルルは日本人の訪問は非常に珍しい。
手付かずの美しい自然とそこに生きる人たちの生活をこの目で見ることができる。
もしいつかマニプール州を訪問することがあれば、ウクルルにも足を伸ばしてみてほしい。
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